相場の風~師匠から弟子へ~

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雑感

市場資本主義崩壊
市場資本主義の中心(アメリカ)が世界中の投資家の目の前で今まさに崩壊しています。これまでアメリカは金融資本主義を謳い、力の有る無しに関係なく世界中の国々を同じ土俵に上げ、その富を欲しいがままにしてきました。過去、日本も同様に金融資本主義によってバブルの崩壊・富の流出を経験したのは記憶に新しいところです。
 
日本は言うまでもありませんが、米国でもマーケットの生殺与奪権を持つ人々の理解不足が問題の収拾を困難にしているように感じます。日本の政治家然り、事態の把握が不十分なうえ、その認識の甘さによってどれだけの富を失ったのでしょうか?米国でもマーケットに対する認識の甘さからか、安易な空売り規制を敷き流動性を欠乏させていますし、今後一層のヘッジファンド規制を設けるとのニュースが米国内では随分報道されているようです。市場に対し積極的に流動性をもたらすヘッジファンドを規制すれば流動性は更に失われ、更なる深刻な富の流出という結果になるでしょう。
昨夜も米下院金融委員長が金融救済コストが7000億ドルを大きく下回るとの見解を発表していましたが、これも随分読みが甘いのではないでしょうか?買い取り価格が決まっていない上、損失確定により大きく資本が毀損することを恐れる金融機関が十分にこの仕組みを活用できないというほうが現実的のような気がします。それ以上に金融正常化までには、毀損した資本を公的資金投入により担保する必要があるでしょうから、全てのコストは7000億ドル程度では足りないでしょう。もっとも、このての話をまともに受け取るようでは、投資家として長生きできませんが・・・。笑
世界に誇る投資銀行も生き残るために利益を捨て、規制の多いただの銀行になります。これによりリスクを取りマーケットメイクをすることで、世界中から吸い上げてきた莫大な収益が失われるわけですから、米国経済+米国自体の国力も縮小均衡へと向かうことになるのではないでしょうか。これから10年大きな変革の時期が到来するでしょうが、金融や富の中心は中国を中心としたアジア経済圏へとポールシフトする可能性も十分にありそうです。
 
その他、今回の金融安定化(救済)法案に関してどうも米国と日本では随分温度差があるように感じられます。基本的には報道する側にも随分問題があるわけですが、bailoutを安定化と意訳?していることがそもそもの間違いかもしれません。これまで米国内全産業の半分近くの利益を稼ぎ出してきた金融業界ですから、その社員の多くは他の国民と比べるまでもなく収入は多く上流階級と呼ばれる人達でしょう。それを税金を投入して救済する案に、サブプライムローンの返済が困難になり家を手放す人々や今現在も苦しい状況にある(そもそも自身の無知がもたらした結果だが)国民感情を逆撫でしたこともうなずけます。
そもそも、多くの人々は自分の収入が増える以外には、経済自体にそれほど興味が無く、世界経済がどうなろうと自分の生活の安定を望むでしょう。最終的にそれが自分の生活にどのように影響を及ぼすかなど考えることもありません。資本主義社会に生きる以上は、自分を取り巻く環境・経済状況を十分に理解するよう勤めなければ自ら搾取される側を選ぶことになります。全てを知る必要はありませんし、全てを知ることは出来ませんが、出来るだけ正しい選択をできるように努力をし続けることは可能でしょう。今の相場環境では多くの個人投資家が努力を惜しみ他人に意思決定権を預けたため、経済的自由を失いつつあります。しかしながら、努力を惜しまず最善を求める数少ない投資家には努力に見合った利益をもたらしていることでしょう。

世界中の株式市場が総悲観となっていますから、そろそろ良い頃合になってきたようです。中勢波動が上昇転換するためにはまだまだハードルがありますし、時間も掛かるでしょうが、比較的大きな反発を取ることは出来そうです。現在の市場環境において、銘柄選定はさほど重要ではありません。反発狙いは投機ですから、機を見て投資する=タイミングが全てです。当たれば大きいですがリスクも高い為無理をしてはいけません。大きなリスクを取りたくない方は、波動が転換するまで静観するのも賢明です。株価指数・為替等を見ながら自分の中で雰囲気を掴んでおきましょう。微妙な空気を読むのが投機の基本です。


ザラ場AM10:40-寄り付きから先物・個別共に売り気配のなか買いを組みました。今現在で5%ほどの含み益となっていますが、本日が底となるか確証は持てません。今夜の米国市場も気になります。本日の戻り具合次第でしょうか、引け味を見ながらというところですね。あまり無理をせずに行きましょう。