相場の風~師匠から弟子へ~

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ソフトバンクをどう見るか

ソフトバンク底堅い動きを継続しているね。弟子はどうしてもソフトバンクを売りたくて仕方ないらしいけど、ちょっと整理してみよう。

現時点で連結PER5.6倍、連結PBR1.62倍と思ったほどファンダメンタルズ的には過熱感があるわけではないね。

週足チャートを見てみるとコロナショックで一時2,000円台半ばまで売られたが、概ね4,000円~6,000円のレンジに納まっている。

日足では3月の2,609円から戻りの上昇波動となっており、現在は4,500円~5,000円のレンジで揉み合いとなっている。

波動的には、株価が三線の上にあり上昇波動継続中で大きく売られる可能性のあるチャートとはなっていない。

決算発表で1兆4,000億の赤字を発表し、ウィーワークへの投資の損失などが大きく取り上げられにわかに投資家心理をざわつかせている。4.5兆円規模の資産売却で財務基盤の強化や自社株買いを発表しているが疑心暗鬼の投資家も多く、弟子もソフトバンクがダメになる方に賭けているようだね。

ビジョンファンドではアラブから5兆円規模の出資に対して元本保証のうえ7%配当という破格の条件だ。最近では悪名高いエリオットマネジメントが参戦し,なかなかきな臭い状況となっているが、この参戦が思わぬ株高に一役買っていると考えられる。本来であればエリオットはアラブの王族と組んでソフトバンクの解体を狙うところだが、そう簡単には進まない。株主提案などを通して企業価値が十分にある事を喧伝して株価を上昇させ市場での売却を考えるだろう。

実際、通信のソフトバンクで資金は2年程回ると言われているし、アリババの含み益も22兆円ほど。これらを全て売却する事は困難だろうが、アリババの含み益だけでも少なからずすぐに破産するような事は無い。結果ビジョンファンドでの損失が更に膨らんだとしてもまだしばらくもつと考えるのが妥当だ。

実質的な内容は悪化しているので売りを考えるのは自然な反応だが、大事なのは、チャートが陰転していないうちは売りを考えてはいけない。下降波動に転換したのを確認してからでも遅くないし、再度上昇転換したら利食い又は撤退するのをためらってはいけない。投資とは時(タイミング)を買うもの、投資家がどう考えていようとチャートと反対にポジションを取ったら勝てないのが相場なのだから。